特別支援「学級」のあれやこれ

元特別支援学級の教員、願いgotoriのブログです。主に業務のまとめとか。特別支援あるあるとか。

特別支援学級ってどんなとこ?

こんにちは。願いgotoriです。

すっかり春めいてきた今日この頃ですね。

卒業式も終わり、新しい人事発表も終え、4月から初めて支援学級に異動という方もいるでしょう。

 

また、新たに特別支援学級に入級されるお子さんをお持ちの親御さんもいることでしょう。

ドキドキしますね。どんなところなのか。どんな出会いが待っているのか。

何をしなければならないのか。

 

ということで、今日は、「ぶっちゃけ支援級ってどんなところなの?」というお話をしたいと思います。

 

 

 

特別支援学級とは

細かい定義などは文科省HPにも概要が載ってますし、そのへんはいろんな先生方が解説してくれてるので、必要な方はご確認ください。

 

http://www.mext.go.jp/a_menu/shotou/tokubetu/main/__icsFiles/afieldfile/2015/10/06/1243505_001.pdf

 

 http://www.mext.go.jp/a_menu/shotou/tokubetu/main/__icsFiles/afieldfile/2015/10/06/1243505_002.pdf

 

 

 

本題:ぶっちゃけ特別支援学級ってどんなとこ?

特別支援学級は、超大きくくると以下の2種類です。

 

固定学級

通級

 

さらに、それらの中には

 

 ・固定学級 →A 知的障害対象

                      B 情緒障害対象

 

・通級情緒障害対象

 

という風に分かれているのが一般的です。

 

 

 

固定学級と通級の違い

固定学級は、特別な教育カリキュラム(教育課程ってやつですね)で運営され、特別支援学級に入級が決まった子どもだけが通うクラスです。

 

よく、小学校などで「コスモス学級」とかって言われてるところというイメージです。なので、在籍はそこで固定です。基本的にはそこで毎日授業を受け、生活します。

 

通級は、基本は通常の学級に在籍し、週に12日(自治体による)他校・もしくは自校の通級指導教室に通う制度です。

 

つまり、例として、在籍は61組で、通級にも在籍があるという状態です。

 

どちらの学級も入級には、就学支援委員会というものを経て、特別支援学級での指導が必要であると判断されたお子さんが入ります。

 

 

 

固定学級って?

固定学級は、知的と情緒それぞれが存在します。(自治体による)

 

私はずっと知的障がいの固定学級で指導してきましたのでそちらの方が詳しいのですが、じゃぁ知的障害対象の特別支援学級自閉症の子や発達障害の子はいないの?という疑問に対しては、答えはNOです。

 

 

障がい特性は本当に一人ひとり違うので、知的障害のみのお子さんもいれば、知的障害と自閉症を併せ持つお子さんもいれば、知的障害がなく、発達障害があるお子さんもいます。その子に適した環境はどちらの学級なのかを就学支援委員会で判定します。

 

 

また、学級の有無も実は自治体によります。

 

 

私のいた自治体では、固定学級は知的障害対象の学級しかありませんでした。

前任地では、知的障害の固定学級、情緒障害の固定学級と分かれて存在していました。

 

 

ここが、たぶん、「結局支援級ってわからな~い!」ってなるところだと思います。分かりにくいですよね。統一して欲しいですよね。その気持ち、よく分かります。

 

 

とってもざっくり言うと、知的障害も自閉症発達障害もごちゃまぜにいる自治体もあれば、きっちり分けている自治体もある。ということです。ぜひお住いの自治体の特別支援学級設置種を調べてみてくださいませ。「〇〇県 特別支援学級」で、レッツ検索!

 

 

 

じゃあ通級は?

通級指導教室は、固定学級との大きな違いは、在籍は通常の学級であるということ。なので、教育カリキュラム(教育課程)は通常学級のものが主に適用されます。主にと書いたのは、通級には教育課程が存在しないのかというと、そんなことはないからです。

 

 

通常級には通常級の、特別支援学級には特別支援学級の教育課程が存在します。通級利用の生徒は、どちらの教育課程も適用されますが、主に学習面でのメインが通常級の教育課程である、ということです。

 

 

あー話がややこしくなってきましたね。教育課程って言葉がかたくて、私は苦手です。

 

 

ずばり、何に関わってくるかというと、内申点ですね。通常級の教育課程がメインに適用されていれば、内申点が付きます、ってことです。このへんについては後日詳しく書きます。

(ぶっちゃけこれ以上話すとものすごく長くなる・・・)

 

 

(そして弱視や肢体不自由、言語指導、日本語学級などもあります。が、今回はメインどころを紹介ということで割愛させていただきました。)

 

 

 

で、特別支援学級って結局何するところなの?

はい、今日のメインはここです。前置きが長かったですね。でも予備知識なしでは話せないところでございますゆえ、ご理解くださいませ。

 

 

さてさて、特別支援学級では何するの?ってことですが、

 

基本的には「個別の指導」をするところです。

 

 

学習においても、日常生活においても、できること・苦手なことに差がある子達が通うクラスです。

そのため、その子の習熟度に合わせて授業をします。

 

 

つまり、通常の学級で行うような、教科書とノートを使った授業ではなく、それぞれの課題に沿った内容を、教員が作成していく形です。

 

 

これは個別指導計画というものをひとりひとり立てて、それに合わせて学習させるかんじです。個別指導計画についても後日書きますね。

 

 

じゃぁ、一斉指導はしないの?というとそんなことはありません。

一斉指導は形としてはします。ただ、その中に個別に配慮した手立てがある上で行う、ということです。

 

 

手立てにはいろんなものがあります。人的な配慮や学習形態など多岐に渡ります。

例えば、「注目が苦手な子には、T2の教員が声かけをする」とか、「途中で小グループの活動に分け、教員・支援員が各グループの活動のサポートする」などです。

 

 

 

授業って何するの?

基本的には、国語や算数、理科、社会など一般的な9教科+道徳や総合的な学習ももちろんします。

 

通常学級と大きく違う特別支援学級の特徴的なの授業として、「生活単元学習」「自立活動」「日常生活の指導」が時間割に入ってくることです。これは通常学級にはないものです。

 

 

つまり、各教科の学習もするし、日常的な生活に関する指導も、授業として学習しますよってことです。

 

 

分かりやすい例で言うと、着替えや道具の使い方、排泄に関すること、コミュニケーションに関すること、食事や動作に対する学習です。

 

 

通常級の子どもたちがする~っと自然にできてしまうところを、掘り下げて教えていく感じです。

 

 

学習に向かうまでの生活の技術をまず身につけようってところかと思います。

 

 

なので、それらの授業では、「立ち方、座り方」とか、「正しい姿勢を保つ方法」とか「質問したい時はどうする?」とか「イライラした時はどうする?」とかそんなことが多く扱われているかと思います。

 

 

 

 

 

 

 

なんとなくイメージできたでしょうか。

私は特別支援学級の大きな魅力として、この学習内容を挙げたいと思います。

 

 

ここを丁寧にすることで、日常の困難さが少しずつ改善され、子どもたちの自信に繋がるからです。

 

 

実は日常生活の困難さが解消されると、学習意欲の向上につながるんですね。

なので特別支援学級のメインどころといってもいい学習内容だと思っています。

 

 

 

長々書いてしまいましたが、新しく特別支援学級に入る方々にとってなんとなくイメージだけでも伝わればいいなと思っております。

 

ではでは、また。