特別支援「学級」のあれやこれ

元特別支援学級の教員、願いgotoriのブログです。主に業務のまとめとか。特別支援あるあるとか。

梅雨時期の指導

こんにちは、ご無沙汰しております。

久しぶりの更新です。

ありがたいことに少しお仕事をいただき、ちょこちょことそちらの業務を進めているうちに時間が経ってしまいました。

 

 

本当は修学旅行とか体育祭について書きたいこと盛りだくさんだったのですが・・・

そちらはまた今度・・・

 

 

さて、タイトルにあるように、今回のテーマは「梅雨」です!

 

 

先日、大雨が降りましたね~

九州や沖縄の方では梅雨入りが発表されました。

全国的に徐々に雨の日が増えてくる頃ですね。

 

 

今日は支援学級での「雨」に対する指導に関して書こうと思います。

 

 

特別支援学級の生徒は、手先の操作に困難さがあり、日常動作でもできないことが結構あります。おうちで練習している生徒もいれば、ほとんど経験のない生徒もいます。

 

 

それでは、雨の時、どんな点に着目していけばいいか考えます。

 

 

 

【雨の日の服装】

小学生は私服なので、ある程度自由がききやすいのですが、中学校は制服です。そのため、天候によって工夫しづらい面があります。

 

 

まずは、雨の日は「替えの靴下を持っていく」を意識させたいと思います。

 

たまに長靴を履いてきたり、保護者の方が送ったりというケースも見かけます。

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※)長靴は、私は履いていいと思う派ですが、いろいろうるさ(ry  ・・・生活指導上の決まりも厳しい学校もあるので、スニーカー登校をしなければならないケースがあり、今回はスニーカー登校を意識した指導です。

(ちなみに黄色い子供用長靴を履いてくる生徒もごくまれにいますが、できれば色味を抑えたものにした方が良いですね。これは年齢相応の服装をする、という意識につながります)

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ですが、「自分で自分のことを分かる」という力を身につけるために、敢えて「雨で靴が濡れたら気持ち悪い」を体感し、「新しい靴下に履き替える」を知る機会にするのがいいかな、と思います。

 

制限のある中でどれだけ工夫できるかというところに注目できればいいなぁと思っています。

 

ということで、私が担当した支援学級では前日に雨の予報が出ていた場合は、連絡帳の「もちもの」欄に「替えの靴下」と書かせていました。

 

 

 

【教員の準備】

 

雨の日は生徒がびしょびしょで登校してくるので、教員もある程度準備が必要です。

 

・下駄箱前に大きいバスタオルを敷いておく

・制服を干す物干し竿を用意しておく

・靴を干せる場所に新聞紙を敷いておく

 

などが、主に私がやっていたことです。

 

 

 

【登校したら】

・生徒は登校したらすぐにジャージに着替える。

 

・新しい靴下に履き替える。

 

・ブレザーや、ズボン・スカートをハンガーにかけて、物干し竿に干す。

 

・靴は下駄箱から持ってきて新聞紙の上に伏せる。

 

この一連の流れを、梅雨入り前に生活単元学習や自立活動の授業で取り入れておくとスムーズです。

 

 

 

【傘の取り扱い】

傘を開いたり閉じたりは、練習が必要です。

最近はワンプッシュの物が多くなりました。

 

使えるツールは使ったほうがいいので、本人が使いやすいものを使うのが良いです。

 

大事なのは、「傘を閉じた後にまとめる」。

これを一人でできるようになることです。

 

生徒が登校してくる際に、それぞれの傘の扱いを観察すると良いです。

 

 

・傘を開閉をスムーズにできているか

 

・閉じた後に、人のいないところで水滴をとっているか

 

・傘のひだをきれいにまとめられるか

 

・傘立てに奥までしっかり入れているか

 

 

このあたりをよく観察し、難しそうなところは個別に指導するのが良いでしょう。

ちなみに簡単にできる傘のたたみ方動画です↓

 

長傘

m.youtube.com

 

折りたたみ傘

m.youtube.com

 

 

 

次に、傘をしまった後の行動です。

 

・靴が濡れていることに気づいているか

 

・なるべく水滴を落とさないように歩いているか

(玄関で軽くタオル等で水滴を拭けているとなお良いです。)

 

・濡れたカバンを一度机の上に置き、水滴を拭き取っているか

 

・雨の日の行動を理解して自分から動けているか(先ほどの着替え・物干しのところですね)

 

・濡れた靴下を新しいものに履き替え、袋に入れてカバンにしまったか

 

 

などなどチェックします。

授業などで指導した後であれば、あまり声かけをしないようにします。

 

なかなか自分から動けない生徒には、近くに行って「次は〇〇だよ」等伝える程度で良いです。

「制服干して~」とか「靴下替えた~?」とか言いたくなりますが、我慢です。

 

 

 

雨だけでここまでやるのか?と思われるかもしれませんが、これも立派な「身辺自立」の力です。

 

自分のことは自分で、というのは簡単。じゃぁ何をする?

ヒントは日常に落ちています。

 

 

また、雨の時の指導は、宿泊や修学旅行時にも役立ちます。

出先で急に雨に降られることがあります。

そうなったときに、「立ったまま折り畳み傘を開閉する」「立ったままレインコートの着脱をする」のも練習しておくと、急に雨に降られても大丈夫。

 

「立ったまま」が肝ですね。

 

ちなみに、折り畳み傘も今ではワンプッシュのものが増えてきました。

こちらを使うのもいいでしょう。

 

 

www.amazon.co.jp

 

 

【さらに付け加えるなら】

・朝は雨が降ってなかったけど下校時に急に降り出した

 

というケースもあると思います。

 

日頃から、私がいた学級では個人ロッカーに置き傘として、折り畳み傘を入れさせていました。

それでも、置き傘を一度使って持って来忘れている生徒もいます。

 

そのために、学校側で貸し出し用の傘を用意していました。

番号を振って誰に貸し出したか分かるように貸し出し簿も作っていました。

貸し出した日は、保護者に連絡し、本人のにも「明日の持ち物」を書かせてから下校させます。

 

これは「傘がないので貸して欲しい」という意思表出の練習にもなります。

翌日は「ありがとうございました」と返すところまでがセットです。

 

 

雨の日にあるといいなぁ~と思うものは、ビニール袋とタオルです。

カバンに入っているだけでいろいろスムーズです。

ご参考までに。

 

 

 

久しぶりの更新なので、視点があっちゃこっちゃ行っているのは、お許しください~

 

 

私は雨の日がわりと好きです。

 

雨の匂いや、草木につく露、何故雨は降るのか?(理科の学習にもなりますね。)

 

 

特別支援学級の生徒は体験を通して学習するとスムーズに学習として定着するので、雨の日を利用して、学習に結びつけてあげることも大切です。